・「ナイフを使って切る」(2歳くらいから)
☆目的☆
ナイフの使い方を知る
☆用具☆
・エプロン
・台拭き
・バナナを入れたお皿
・まな板
・バナナの皮を入れるためのトレイ
・ナイフ(安全性を考慮したもの)
・切ったバナナを入れるためのお皿
・おしぼり
☆手順☆
〈大人がする準備〉
①子どもと一緒に手を洗い、エプロンを着ける。
②台拭きをしぼっておく。
③バナナの皮をむく。
④皮をむいたバナナをまな板にのせ、皮はトレイに置く。
〈大人がやって見せてから子どもが実際にやってみること〉
①右手でナイフを握る。
②左手でバナナをおさえ、右端から切る。
③バナナを切り終えたらナイフを置く。
④切ったバナナをお皿に入れる。
⑤手をおしぼりで拭く。
⑥ナイフとまな板を台拭きで拭く。
⑦使ったおしぼりや台拭きを新しいものと交換する。
⑧エプロンを外す。
※この活動で子どもが面白いと感じやすいのは、バナナを切る手ごたえです。そのため、この部分を強調してやって見せるようにします。
・「縫う」(2歳くらいから)
☆目的☆
縫い方を知る
☆用具☆
・台紙(直線上に等間隔で穴をあけておく)
・糸を通して結んでいる針を刺した針山
・セロハンテープ
・はさみ
・糸くず入れ
☆手順☆
①左手で台紙を、右手で針を持つ。
②台紙の右端の穴に上から針を刺す。
③台紙をひっくり返し、糸を通す。
④残りの穴も同様に糸を通す。
⑤糸の端をセロハンテープで貼り、はさみで切る。
⑥残った糸くずを糸くず入れに入れる。
⑦針を針山に戻す。
※この活動で子どもが面白いと感じやすいのは、台紙の表、裏と交互に針を刺して縫っていくことです。そのため、この部分を強調してやって見せるようにします。
・「手を洗う」(2歳くらい)
☆目的☆
手の洗い方を知る
☆用具☆
・エプロン
・ピッチャー
・洗面器
・小皿に入れた石けん
・手拭きタオル
・バケツ
・ミトン
・雑巾
☆手順☆
〈大人がする準備〉
①手の汚れに気づかせる。
②子どもと一緒にエプロンを着け、袖をまくる。
③ピッチャーに水を入れる。
〈大人がやって見せてから子どもが実際にやってみること〉
①ピッチャーの水を洗面器に注ぐ。
②両手を水に浸す。
③手に石けんをつける。
④両手全体をこすり合わせて泡を立てる。
⑤両手をよくすすぐ。
⑥両手の指先を下に向け、水を切る。
⑦手拭きタオルで手を拭く。
⑧洗面器の汚水をバケツに入れる。
⑨バケツに入れた水を捨てる。
⑩ミトンで洗面器の水気を拭き取る。
⑪机が濡れていたらミトンで拭く。
⑫床が濡れていたら雑巾で拭く。
⑬使った手拭きタオルやミトン、雑巾を新しいものと交換する。
⑭エプロンを外す。
※この活動で子どもが面白いと感じやすいのは、水を注ぐ時の音、石けんが泡立つこと、洗面器の水が濁ることです。そのため、この部分を強調してやって見せるようにします。
※トイレから出た後や散歩から帰ってきた時、食事の前などに手を洗うようにして、習慣づけるようにします。
・「ラグの広げ方 巻き方」(2歳くらい)
☆目的☆
ラグの広げ方、巻き方を知る
☆用具☆
・表裏の区別のない柔らかい素材で作られたラグ
・スタンド
☆手順☆
〈ラグを広げる〉
①ラグを所定の場所まで運ぶ。
②ラグを床の上に横向きに置き、その手前に座る。
③ラグの上端(めくれている部分)を床につける。
④ラグの真ん中を持ち、手前へと広げる。
〈ラグを巻く〉
①ラグの端と真ん中を持ち、手前から向こうへと巻く。
②ラグを元の場所に運ぶ。
※この活動で子どもが面白いと感じやすいのは、ラグを広げる時に体を後退させること、巻く時に体を前進させることです。そのため、この部分を強調してやって見せるようにします。
※ラグの大きさや素材によって広げ方、巻き方が異なります!
・「机を洗う」(2歳くらいから)
☆目的☆
机の洗い方を知る
☆用具☆
・机
・エプロン
・台
・トレイ
・ピッチャー
・ボウル
・小皿に入れたスポンジ
・小皿に入れたブラシ
・小皿に入れた石けん
・ミトン
・バケツ
・雑巾
☆手順☆
〈大人がする準備〉
①机の汚れに気づかせる。
②子どもと一緒にエプロンを着ける。
③机のそばに台を運び、ピッチャーとボウル、スポンジ、ブラシ、石けん、ミトン、雑巾がセットされたトレイをのせる。
④バケツを台の下に置く。
⑤ピッチャーに水を入れる。
〈大人がやって見せてから子どもが実際にやってみること〉
①ピッチャーの水をボウルに注ぐ。
②スポンジを湿らせる。
③ブラシを濡らし、石けんをつける。
④ブラシで、円を描くようにして机を洗う。
⑤ブラシを洗って元の位置に戻す。
⑥スポンジで泡を拭き取る。
⑦スポンジを洗って元の位置に戻す。
⑧ミトンで乾拭きする。
⑨ボウルの汚水をバケツに入れる。
⑩バケツに入れた水を捨てる。
⑪ミトンでボウルの水気を拭き取る。
⑫トレイや台が濡れていたらミトンで拭く。
⑬床が濡れていたら雑巾で拭く。
⑭使ったスポンジやミトン、雑巾を新しいものと交換する。
⑮エプロンを外す。
※この活動で子どもが面白いと感じやすいのは、石けんが泡立つこと、スポンジで泡を拭き取ること、机が綺麗になることです。そのため、この部分を強調してやって見せるようにします。
・「掃く」(2歳前後)
☆目的☆
掃き方を知る
☆用具☆
・ガイド(ゴミを集める場所を示すもの)
・ほうき
・ブラシ
・ちりとり
・ゴミ箱
☆手順☆
〈大人がする準備〉
①床に落ちているゴミに気づかせる。
〈大人がやって見せてから子どもが実際にやってみること〉
①ゴミのそばにガイドを置く。
②ほうきを、利き手を下にして持ち、ゴミをガイドに向かって掃き寄せる。
③ほうきとガイドを元の場所に戻す。
④右手でブラシを、左手でちりとりを持ち、ゴミを入れる。
⑤ゴミ箱にゴミを捨てる。
⑥ブラシとちりとりを元の場所に戻す。
※この活動で子どもが面白いと感じやすいのは、ガイドの中にゴミが集まることです。そのため、この部分を強調してやって見せるようにします。
・「ガラス戸を洗う」(2歳前後)
☆目的☆
ガラス戸の洗い方を知る
☆用具☆
・台
・トレイ
・長い布
・霧吹き
・ゴムベラ
☆手順☆
〈大人がする準備〉
①ガラス戸の汚れに気づかせる。
〈大人がやって見せてから子どもが実際にやってみること〉
①ガラス戸のそばに台を運び、長い布と霧吹き、ゴムベラがセットされたトレイをのせる。
②ガラス戸の下に長い布を敷き、床が濡れないようにする。
③霧吹きでガラス戸に水をかける。
④ゴムベラを両手で持ち、ガラスについた水滴を上方から下方に、左から右へと移動しながら取っていく。
⑤使った長い布を新しいものと交換する。
※この活動で子どもが面白いと感じやすいのは、霧吹きでガラス戸に水をかけること、ガラス戸とゴムベラの擦れ合う音、ゴムベラでガラス戸についた水滴が取れることです。そのため、この部分を強調してやって見せるようにします。
・「葉を拭く」(2歳前後)
☆目的☆
葉の拭き方を知る
☆用具☆
・観葉植物
・エプロン
・台
・トレイ
・ピッチャー
・ボウル
・小皿に入れたスポンジ
・ミトン
・バケツ
・雑巾
☆手順☆
〈大人がする準備〉
①葉の汚れに気づかせる。
②子どもと一緒にエプロンを着ける。
③観葉植物のそばに台を運び、ピッチャーとボウル、スポンジ、ミトン、雑巾がセットされたトレイをのせる。
④バケツを台の下に置く。
⑤ピッチャーに水を入れる。
〈大人がやって見せてから子どもが実際にやってみること〉
①ピッチャーの水をボウルに注ぐ。
②スポンジを湿らせる。
③右手でスポンジを持ち、左手を葉の下に置いて、葉を挟む。
④葉の根元から先端に向かって葉をしっかり拭く。
⑤スポンジを洗って元の場所に戻す。
⑥ミトンで葉を拭く。
⑦ボウルの汚水をバケツに入れる。
⑧バケツに入れた水を捨てる。
⑨ミトンでボウルの水気を拭き取る。
⑩トレイや台が濡れていたらミトンで拭く。
⑪床が濡れていたら雑巾で拭く。
⑫使ったスポンジやミトン、雑巾を新しいものと交換する。
⑬エプロンを外す。
※この活動で子どもが面白いと感じやすいのは、葉に触れること、葉の汚れが取れることです。そのため、この部分を強調してやって見せるようにします。
・「花を活ける」(2歳くらいから)
☆目的☆
花の活け方を知る
☆用具☆
・ピッチャー
・花瓶(複数個)
・トレイに入れたじょうご
・花入れに入れた数種類の花
・かごに入れた、花瓶と同数の花瓶敷き
・ミトン
・雑巾
☆手順☆
〈大人がする準備〉
①ピッチャーに水を入れる。
〈大人がやって見せてから子どもが実際にやってみること〉
①花瓶を選ぶ。
②花瓶にじょうごを差して水を注ぐ。
③じょうごを外す。
④花を選んで活ける。
⑤花瓶敷きを選び、手のひらにのせる。
⑥花瓶敷きを、花を飾る場所まで運び、置く。
⑦花瓶を両手で持ち、花瓶敷きの上に置く。
⑧トレイや机が濡れていたらミトンで拭く。
⑨床が濡れていたら雑巾で拭く。
⑩使ったミトンや雑巾を新しいものと交換する。
※この活動で子どもが面白いと感じやすいのは、じょうごに水を注ぐこと、花を選ぶこと、花を飾ることです。そのため、この部分を強調してやって見せるようにします。
・「洗濯物を干す」(2歳くらい)
☆目的☆
洗濯物の干し方を知る
☆用具☆
・かごに入れた洗濯物(洗濯済みの物)
・物干し
・かごに入れた洗濯ばさみ
☆手順☆
①洗濯物が入ったかごを物干しまで運ぶ。
②洗濯物を広げてしわを伸ばす。
③洗濯物を物干しにかけ、洗濯ばさみでとめる。
※この活動で子どもが面白いと感じやすいのは、洗濯物を物干しにかけること、洗濯ばさみで洗濯物を挟むことです。そのため、この部分を強調してやって見せるようにします。
・「線上歩行」(2歳前後)
☆目的☆
平衡感覚や自己コントロール力を養う
☆手順☆
〈大人がする準備〉
①白または有色で幅2.5cm~5cmの歩行線を床に描く。
〈大人がやって見せてから子どもが実際にやってみること〉
①前方をまっすぐ見ながら、一方のつま先にもう一方の足のかかとをつけて、静かにつま先を下ろし、一歩一歩ゆっくりと線上を歩く。
※この活動で子どもが面白いと感じやすいのは、つま先にかかとをつけて交互に足を動かすこと、線上を歩くこと、バランスが崩れそうになることです。そのため、この部分を強調してやって見せるようにします。
※この活動では、速く歩きたい衝動を抑える必要があるため、それが自己コントロール力の発達を促します。
※音楽をかけながら行うと良いでしょう。
・「静粛練習」(2歳前後)
☆目的☆
静粛を知る
自己コントロール力を養う
☆手順☆
〈大人がすること〉
①ベルを鳴らす。
〈大人と子どもがすること〉
②ベルの音を聞く。
〈子どもがすること〉
③目を閉じて、静かにする。
〈大人がすること〉
④ベルを鳴らす。
〈子どもがすること〉
⑤ベルの音が聞こえたら目を開ける。
※この活動で子どもが面白いと感じやすいのは、静かにすること、音が聞こえてくることです。そのため、この部分を強調してやって見せるようにします。
※この活動では、話をしたい衝動を抑える必要があるため、それが自己コントロール力の発達を促します。
※子どもに静けさを強制するのではなく、子どもが自然に静けさに親しみ好むように導きます。「いただきます」の挨拶をする前や、絵本の読み聞かせの前などに、この活動を取り入れてみるのも良いでしょう。
「線上歩行」と「静粛練習」には、自己コントロール力を養うという目的があります。この2つの活動で「衝動を抑える」経験を重ねることによって、自分を律する力を身につけていきます。自律心が育つと、内省することができるようになり、何か自分に不都合があった時、自分の非を潔く認め、反省し、それをこれからの人生に活かしていくことができる人間になります。しかし、衝動を抑える経験をすることなく育つと、自分を律する力が身につかず、何か自分に不都合があった時、その責任を必ず他人に転嫁する人間になってしまいます。そのため、自分をコントロールする力を養うことはとても重要なのです。自律心を身につけるためには日々の積み重ねが大切であるため、これらの活動は毎日行うようにすると良いでしょう。
・「洗濯」(2歳半くらいから)
☆目的☆
洗濯の仕方を知る
☆用具☆
・洗い桶とすすぎ桶がセットされた洗濯台
・サイドテーブル2つ
・洗濯する物
・洗濯する物を入れるための容器Ⅰ
・エプロン
・ピッチャー
・洗濯板
・小皿に入れた石けん
・洗濯した物を入れるための容器Ⅱ
・ミトン
・バケツ
・雑巾
☆手順☆
〈大人がする準備〉
①洗濯する物を容器Ⅰに入れる。
②子どもと一緒にエプロンを着ける。
③ピッチャーに水を入れる。
④洗い桶とすすぎ桶にピッチャーの水を注ぐ。
〈大人がやって見せてから子どもが実際にやってみること〉
①洗濯する物を洗い桶に浸す。
②洗い桶に洗濯板をセットする。
③洗濯する物を洗濯板の上に広げ、石けんをつけて洗う。
④洗った物をしぼり、すすぎ桶に入れ、すすぐ。
⑤すすいだ物をしぼり、容器Ⅱに入れる。
⑥洗濯板をすすぎ桶に入れ、水をかけて泡を流す。
⑦ミトンで洗濯板を拭く。
⑧洗い桶とすすぎ桶の汚水をバケツに入れる。
⑨バケツに入れた水を捨てる。
⑩ミトンで洗い桶とすすぎ桶を拭く。
⑪サイドテーブルが濡れていたらミトンで拭く。
⑫床が濡れていたら雑巾で拭く。
⑬使ったミトンや雑巾を新しいものと交換する。
⑭エプロンを外す。
※この活動で子どもが面白いと感じやすいのは、水を桶に注ぐこと、石けんが泡立つこと、洗濯物をゴシゴシ洗うこと、桶の中の水の色が変化することです。そのため、この部分を強調してやって見せるようにします。
※「動きの獲得」のため、洗濯機ではなく、あえて洗濯板を使います。
・「食器を洗う」(2歳半くらいから)
☆目的☆
食器の洗い方を知る
☆用具☆
・洗い桶とすすぎ桶がセットされた、食器を洗う台
・サイドテーブル2つ
・洗うための食器
・洗うための食器を入れる容器
・エプロン
・ピッチャー
・食器用洗剤を入れた、ブラシ受けの容器
・ブラシ
・洗った食器を入れる容器
・使ったブラシを置く容器
・バケツ
・ミトン
・雑巾
☆手順☆
〈大人がする準備〉
①洗うための食器を容器に入れる。
②子どもと一緒にエプロンを着ける。
③ピッチャーに水を入れる。
④洗い桶とすすぎ桶にピッチャーの水を注ぐ。
〈大人がやって見せてから子どもが実際にやってみること〉
①食器を洗い桶に入れる。
②食器をブラシで円を描くようにして洗う。
③食器の水気を軽く切り、すすぎ桶に入れ、手ですすぐ。
④食器の水気を軽く切り、容器に入れる。
⑤ブラシをすすぎ桶ですすぎ、使ったブラシを置く容器に入れる。
⑥洗い桶とすすぎ桶の汚水をバケツに入れる。
⑦バケツに入れた水を捨てる。
⑧ミトンで洗い桶とすすぎ桶を拭く。
⑨サイドテーブルが濡れていたらミトンで拭く。
⑩床が濡れていたら雑巾で拭く。
⑪使ったミトンや雑巾を新しいものと交換する。
⑫エプロンを外す。
※この活動で子どもが面白いと感じやすいのは、水を桶に注ぐこと、食器をブラシで洗うこと、洗剤が泡立つこと、桶の中の水の色が変化することです。そのため、この部分を強調してやって見せるようにします。
・「食器を拭く」(2歳半くらいから)
☆目的☆
食器の拭き方を知る
☆用具☆
・拭くための食器を入れた水切りかご
・中央に大小の二重の円が刺繍されている、縦25cm、横25cmくらいの大きさの布巾
・拭き終えた食器を置くためのトレイ
☆手順☆
①布巾の上に、刺繍された円を目印にして(小さい食器は小さい円を目印にして)食器を置く。
②布巾の四隅を食器にかぶせるようにしてくるみ、押さえて水気を拭き取る。
③食器をひっくり返し、同様に拭く。
④拭いた食器をトレイに置く。
⑤使った布巾を新しいものと交換する。
※この活動で子どもが面白いと感じやすいのは、食器を布巾でくるむこと、食器が乾き、布巾が濡れることです。そのため、この部分を強調してやって見せるようにします。
これらの活動の他に、この時期の子どもには「挨拶」を習慣づけることも大切です。