⑦子どもには「我慢の経験」も必要

「子どもを『大人と対等で、一個の人格を持った存在』として接すること(肯定的な接し方)」は、「子どもの言いなりになり、わがまま放題にさせること」と混同されがちです。しかし、両者は全く異なるものです。子どもの要求を全て叶えていたら、子どもは我慢することを知らない自己抑制のできない人間になってしまいます。

子どもは善悪の判断力を持って生まれてくるわけではありません。大人の子どもへの接し方などによって、生後に善悪を見極められるようになっていきます。そのため、大人が子どもに「これは善いこと、これは悪いこと」ということを明確に示す必要があるのです。そして、それには一貫性があることが大切です。同じことをしているのに、「お母さんは怒り、お父さんは怒らない」といった一貫性のなさは、子どもを混乱させるからです。

「子どもを一個の人格を持った存在として接する」というのは、「子どもが自分の力(自己教育力)で自立、発達できるように援助する」ということです。大人はその時の自分の感情に流されるのではなく、子どもが健やかに育っていくために今必要なことはどのようなことなのかを見極めて子どもに接することが大切です。

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